TVでも紹介された、徳島県上勝町、この町にはゴミ収集車がありません。町民全員がゴミ分別集積所『上勝町ゼロウェイストセンター』に自らで運び、定められた分別容器に自ら投入します。分別区分は『45分別』に仕分けされています。
上勝町のゴミ処理の歴史は、1997年迄は素掘りの埋立てに町内のゴミ全てが投棄されていました。その後、焼却炉が建設されますが維持費の問題、ダイオキシン問題等からやむなく廃炉とします。
町は苦肉の策として2003年『ゼロ・ウェイスト宣言』を町議会で決定し条例化しました。当初は、反対意見や戸惑いがあった町民も、今では分別が当たり前、食品を包むラップまで洗い乾かして持ち込まれます。宅急便伝票もカーボンを剥がし仕分けされています・・・すごい!!町民ひとり一人の行動が環境問題に貢献しているとの意識が高まり、よりリサイクル率を高め続けているのです。
1970年に『廃棄物処理法』が制定され一般廃棄物処理は市町村の固有事務となりました。法律発布当初迄は、埋立てや野焼きに頼ってきた行政も法律の厳格化と共に国庫支援のもと焼却炉の建設が全国で進められました。しかし、補助金を得るために市町村は人口が増える事業計画を国に提出、人口以上の処理能力を持ち、且つプール等の付帯施設などを含んだ建設を推し進めてきました。それが今では燃やすごみがない、老朽化による維持費の暴騰などに苦しんでいます。
今、上勝町の取り組みにマスコミや多くの自治体環境担当の見学者が絶えない状況だと言います。この取り組みを都市部で実践するのは困難かもしれません。しかし、今後のゴミ処理のあり方を学ぶ具体例だと感じました。