前回は塙保己一と渋沢栄一にについての話でしたが、今回は私たちと塙保己一のについてです。
みなさん一度は使ったことがあると思います。原稿用紙。400 字詰めの原稿用紙で、夏休みの読書感想文や、作文やレポートを書くために使用しましたよね。その縦20 文字、横20 行の原稿用紙の起源と言われているのが、塙保己一が編さんした「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」の版木(はんぎ)なのだそうです。
当時書物は、限られた人のところにしかなく、書き写しで伝えられたため内容が異なるものなどが多くありました。そこで塙保己一は、それらの書物を集め、補正し、分類、整理しました。それが群書類従です。
塙保己一は、その群書類従を多くの人が手にできるようにと、版木に彫り、印刷できるようにしました。その枚数はなんと17,244 枚。両面刻であるため、約34,000 ページ分になります。(ちょっと想像しがたい枚数ですね)その版木が縦20 文字、横10 行の2段とされ、これが現代の原稿用紙の起源と言われています。
塙保己一が編さんした群書類従の版木がなければ、一般的に使う原稿用紙の文字数は、400 字ではなかったかもしれないと思うと、歴史上の人物を少し身近に感じますね。